聴いて奏でるバレエレッスン

日曜日「聴いて奏でるバレエレッスン」をありがとうございました。

 

今日は音楽とダンス、バレエについての理論と実践編を行いました。

音楽はリズム、メロディ、ハーモニーの3つが大切ですが、ダンス、特にソロを踊るにはテンポ、リズム(テンポの中に既にリズムが入っていますがここでは一旦分けて考えています。)、メロディの3つをポイントとして考え音楽と身体の使い方についての理論を構成しています。

そして音楽の元となる音そのものについても考えていきます。

音は響きであることから幅や奥行き、高さがあるので立体であると言えます。

ということは立体である身体と同じであると考えます。

そして基本的に楽器は身体が動きだした後に音が鳴ることを考えると現実的には音が無い(鳴っていない)ところから音、響きが生まれるのに対して、身体は既にそこ(空間)に在るので、音と身体の立ち位置や捉え方によっても音の表現方法が変わります。

僕のクラスではそういったことも踏まえ表現の違いによる身体の使い方や音の聴き方、捉え方のレッスンを行っています。

さらに拍子やリズムの違いによるトレーニング強度の違い、パやアンシェヌマンがどのようにして生まれていくかについても理論だけでなく、実際に身体を動かしていくことで体感し、身を持って学んで頂いています。

 

バレエを踊る上で身体の使い方というのは関心も高く、もちろん重要なポイントですが、それ以上に音楽について知ることは音楽、音を目で見る形に現すダンサーには必要なことであると考えています。

脚は高く上がらないかも知れない、ジャンプは高く飛べないかも知れない、そして沢山回れないかも知れない。

でも鳴っている音楽自体にそれに必要な音楽的動機が無ければそんなことをしても意味はあまり無いかも知れません。

身体で音楽を奏でることを知ったならばそれ以上に最適な表現手段を見つけることだって出来るでしょう。

音域や音の強さで考えるならば、脚の高さやジャンプが高いということはそこに鳴っている音もまた高いということであり、沢山回るということはそのスピードや強さを考えても少々ヒステリックなものであるとも考えられます。

実際に鳴っている音と照らし合わせた時、本当にそのテクニックが必要かどうか。

音楽と向き合った時に「やらない」という選択肢もあるということを知ってもらえたらと思います。

そしてそれこそが年齢関係なく平等に音楽に触れ、身体で音楽を奏でることに繋がるでしょう。

僕達が行っているのはテクニックを競い見せ合う闘いではなく芸術です。

改めてクラシックバレエという芸術に思いを馳せ、その豊かな世界に触れることが出来たらと願っています。