GYROKINESIS - ジャイロキネシス

バレエ団を退団後、パーソナルトレーナーとなり、様々なエクササイズ方法を勉強していく中で、誰でも簡単に、安全に、無理なく、辛くもなく出来るエクササイズはないかと探す中で見つけたジャイロキネシス。

初めて見た時にいつも僕自身が行っていたストレッチやマッサージ方法と同じものが多かったこと、ジャイロキネシスの動き自体がベジャールさんの振付のようなラインと流れを持っていたことも好きになった理由です。

クラス中は本当に踊りを踊っているのと同じ身体と心の満足度があり、皆さんと一緒に動いていると舞台上にはなかった穏やかで優しい新しい感動に包まれます。

 

元はバレエダンサーのリハビリ用のエクササイズとしてニューヨークで生まれ、現在はダンスカンパニーだけでなく病院の中にもリハビリプログラムとして入っているくらい高い信頼を得ているメソッド。

 

ジャイロキネシスの良さは何よりも心地良いこと。

普段使っていない、沢山の関節の動きを行うことで、身体はもちろん、心もスッキリ解放することが出来ます。

 

そして、ジャイロキネシスの良さは誰でも行えること。

バレエダンサーをはじめとした身体を使うプロフェッショナルから、運動経験の無い方まで、年齢も性別も関係なく全ての方に適する形でみんなが一緒にクラスを行うことが出来ます。

 

もちろんバレエダンサーが考案したメソッドなので、もの凄くきつくも出来るのですが、「エクササイズ=辛い」という考え方ではなく、「辛くないが正解」という身体の使い方を教えてくれるメソッドでもあります。

本当に良いポジションで行うエクササイズはただきついのではなく心地良いものです。

 

お一人お一人の身体にとって無理がなく、身体を動かすことで健康にも繋がり、日常生活では制限されている身体の動きや心の解放をクラスでは行ってもらえたらと願っています。

 

 

《プロダンサーの方、バレエをされている方へ》

 

ダンサーは毎日ストレッチを行ってもいますし、身体を使ってはいますが、見せる為の使い方を追求するあまりに自分の身体に備わっている本来の動きを忘れてしまいがちです。

そもそもバレエや舞台劇術は健康の為に存在しているわけではありません。

あくまでも長い年月の間に考え抜かれた美しいとされる身体のポジションと、それを観客に見せる為のテクニックを追求していった一つの形がクラシックバレエという芸術です。

ですので、人間本来の身体の動きを無視している動きや身体が本来受け入れられる負担を超えている動きも多いのです。(ジャンプや回転、ポワント等)

バレエをすればするほど、特に舞台は身体を壊す為に行っているといっても過言ではないくらい人間の身体にとっては過酷なものです。

人間は歩いたり走ったりするようには出来ても、回転をしたりポワントで立ったりするようには出来ていないからです。

今現在、あらゆるスポーツではその衝撃をカバーする為に様々なシューズが開発され、床や地面が改良を加えられています。

バレエは今も昔も素足に布一枚のシューズ、さらには床はカチカチのお稽古場がほとんどと、身体にとって過酷な環境となっています。

ポワントシューズに関しては、身体に本来備わっていない新しい骨と関節を得たようなものだと想います。

人間は骨があり靭帯や腱、筋肉で結びつけられ形作られていますが、ポワントという新しい骨にはそれらがありません。

ですが、それをまさに身体の関節の一つとして扱うテクニックを養う必要があります。

そして、単純に身体にとっては負担となります。

 

ジャイロキネシスだけではありませんが、バレエを踊る全ての方は何かしらのケアをするべきです。

そして、「バレエ=人に見せる為の身体作り」だけでなく、自分の身体を自分自身に取り戻す時間を持ってもらえたらと願っています。

 

穏やかに、優しいお時間を多くの方と過ごせますように。

そんなお時間に心から感謝して。