バレエダンサーとして活動し、現在は講師としてバレエをお伝えする日々ですが、バレエと身体について想うことを少し書いておきたいと想います。
クラシックバレエは健康の為に存在するわけではなく、ダンサー達はクラシックバレエの様式美を体現する為に日々レッスンをしています。
「美しさ」というものと「健康」というものは必ずしもイコールではないということ。
それは文化的なものであり、利便性や機能性を求めたものではないからです。
手間のかかるもの、一見遠回りするようなことこそ、伝統芸能であり、芸術である所以だと想います。
つま先を伸ばすこと、必要以上に可動域が広がってしまうこと、重心の位置、その他多くのことをバレエのレッスンでは身体に叩き込んでいきます。
クラシックバレエをレッスンしていくことは、本来の身体に備わった機能を狂わせ、身体のアライメントを崩し、身体を壊すことにも繋がる危険性もあるのです。
身体は沢山ピルエットを回ったり、ジャンプしたり、ポワントで立つ為に出来ている訳ではありません。
バレエで学ぶ身体の使い方は、日常生活に役立つ為ではなく、あくまでもバレエが踊りやすい身体にする為だからです(もちろんターンアウトを含め、多くのテクニックは安全に踊る為に習得する必要性があります。)
ダンサーの身体の不調は特に舞台活動において顕著に現れます。
個人的にダンサーとして活動し、沢山のダンサー達を目の当たりにしてきましたが、身体が元気なダンサーはほぼいませんでした。
いつもどこかしら痛めていて、いつもくたびれていました。
バレエダンサーとしての活動を終え、トレーナーとしてサポートする側にまわった時に、ダンサーたちのその辛い日々をどうにかして変えてあげたい、そう想って見つけたのが各種体幹トレーニングであり、ジャイロキネシスです。
特にジャイロキネシスに関しては、そのメソッドで求める身体の使い方がバレエそのものでもありました。
でもバレエと大きく違う点は「ジャイロキネシスは健康の為に存在する」ということです。
ジャイロキネシスは健康の為に。
でもジャイロキネシスの求める身体の使い方はバレエそのもの。
ということは、しっかりとジャイロキネシスで身体の使い方を学ぶことが出来れば、バレエでも同様に健康に繋がりつつ、バレエが上達し、安全に楽しく踊ることが出来るかも知れない。
健康とダンスがイコールであること。
それは僕にとって大きな発見になりました。