振付家 三東瑠璃さんのリハーサル現場へ

本日は7月20日土曜日に神楽坂セッションハウスにてショーイングを行う三東瑠璃さんの作品リハーサルへ伺いしました。

 

前回の【MeMe】以来、久し振りの現場。

今回はカンパニーメンバー以外に、応募で集まった方、三東さん曰く初の男性ダンサーも交えた作品。

 

初参加とは思えないほどの質感は日々の稽古の積み重ねを強く実感します。

今回改めて見る三東さんの作品は【日常生活にある当たり前への気づき】をもらえる、そんな感触を覚えました。

 

特に【時間】に対しての感覚は強く、そこからフィジカル的なことであったり、皮膚感覚であったりと枝分かれしていきますが、みんなが平等に持つこの刻まれた時間への気付きは舞台芸術においても、日常生活においてもとても重要なものであると感じます。

 

そして一見、誰もが出来そうなことがとても素晴らしく思いました。

僕が考える良い振付家、良い振付とは、誰が踊っても見るものを圧倒出来るようなパワーを兼ね備えられるよう設計されているものです。

どんな素材であっても設計がしっかりしていれば、多少の強度は必要であったとしても建物として立つ。

そんな作品。

 

ですが、やはりオリジナルカンパニーが備える設計者が選び抜いた素材、材質、強度で作るそれは、誰もが到達出来ない凄みを味わえる。

そんな作品を提供出来る振付家はそう多くないと思いますが、誰もが体験し、形になってしまうであろう三東さんの作品にはそれを感じます。

 

見た人がやる側にまわった時、はじめてそれがどれだけ細かく繊細に、途方もない時間をかけ作られているか知る。

それもまた誰もが味わえる作品だからこそ経験出来るものだと思います。

例えば、プリエが持つ深みのように。

 

これは明らかに芸術作品ですが、それと同時に現代の生活に対する投げかけであり、三東さんが考え、感じている答えでもあるように思います。

 

自分にはコントロール出来ない人の思いや行動に対して、どのように振る舞えば良いのか。

自分を犠牲にすることなく、また、他者を犠牲にすることなく共存することをお互いに探す旅。

 

自立し、寄り掛かり、支え合い、最適を探す。

人と人との触れ合いを通して、人がその環境にどのように溶け合うのか。

 

明後日の公演はもちろん、これから始まるツアーも楽しみです。

 

ぜひお時間とご興味のある方は足を運んでみてください。

普段見ることの出来ない日常を体験することが出来ると思います。